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2022.5.09 - 経産省の調査結果から
障害者雇用で収益を上げている企業を調査したレポートが先日公開されました。レポートでは、デジタル分野の企業が、「ニューロダイバーシティ」という新しい概念を経営に取り入れる意義と方法論が示されています。以下は、NPO Mind Recoveryがまとめたレポートの概要です。
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イノベーション創出加速のためのデジタル分野における「ニューロダイバーシティ」の取組可能性に関する調査
調査結果レポート 令和4年3月 経済産業省経済社会政策室
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/neurodiversity/neurodiversityreport2021.pdf
第1章 ニューロダイバーシティとは何か?
ニューロダイバーシティは、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害、など)の特性を、脳神経の正常な変異、と捉える概念である。発達障害のある人が持つ特性は、特殊な能力と表裏一体である可能性が指摘されている。パターン認識、記憶、数学といった分野の特殊な能力は、デジタル分野に親和性の高い人材として、注目を集めている。現在までに、マイクロソフトなどのIT企業や金融業、製造業にまで取り組みの活動が広がっている。
第2章ニューロダイバーシティに取り組むべき理由
コミュニケーションに苦手を抱えている場合は、採用から漏れやすくなり、これまで企業が採用できていなかった「未開拓」の人材である。IT人材の不足は、国内外問わず喫緊の課題となっている。発達障害と診断される人の数は、近年増加傾向にある。「未開拓」の人材は日本にも豊富に存在している。また日本でも、発達障害の人材のパフォーマンスが、品質向上や生産性向上に繋がった事例、発達障害を含む障害のある人がいるからこそイノベーションが創出された事例などが生まれている。
ニューロダイバーシティへの取組みと、イノベーション・生産性との関係に関するフィールド検証
発達障害のある方は、条件が整うと非常に高い集中力や探究力を発揮する傾向にある。ダイバーシティの高い組織を組成することが、差別や偏見を意味するスティグマの低減を経てイノベーションや生産性の向上へと繋がっていくことが示唆された。
第3章ニューロダイバーシティに取り組む方法
最終的なゴールは、一般雇用部門で発達障害のある方が一般業務に従事している状態、短期的なゴールは、組織形態に依らず「発達障害のある方が一般業務に従事している状態」である。
取組みの5ステップ
ステップ1 取組開始の社内合意。 ステップ2 体制・計画づくり。 ステップ3 採用。障害を受容し自ら支援を求められる人材であること。口頭での面接が困難な場合は、チャットで面接することも検討する。 ステップ4 受入れ ステップ5 定着・キャリア開発。
第4章先進取組企業の事例集
実際にニューロダイバーシティに取り組み、成果を挙げている企業の事例を、取組みのステップに沿って詳細に紹介。
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